実はあまり知られていないかもしれませんが、クリーンファクトリー(CLEAN工場)は7月13日にすでに摘発・閉鎖されています。私は7月15日の時点で記事を書き、お客様にもご案内しました。ところが、驚いたことに、今でもネット上では「Clean工場」の名を使って販売している業者が少なくありません。
さらに驚くのは、その販売価格です。例えば人気モデルの デイトナ 126500LN。当店の販売価格は 148,800円 前後ですが、ネットでは 10万円台、中には 5万円 という価格まで見かけます。ここまで安いとなれば、当然「なぜ?」と疑問に思うはずです。
1. なぜそんなに安いのか?
本来のClean工場の仕入れ価格は業界内でほぼ透明です。さらに、海外から日本へ送る際には以下のようなコストが必ずかかります。
国際送料:安全ルートを使うため、通常の3〜4倍。1本あたり 6,000〜8,000円。
代引手数料:代引きを利用すると 2,800円。
代行手数料:入金処理に 8% が必要。
例として仕入れが 11万円 とすると、
送料 6,000円
代引き 2,800円
代行手数料(販売価格14.88万円の場合で約 11,900円)
合計で 2万円強 のコストがかかります。つまり、実際の利益は 1〜2万円程度 にしかなりません。広告や販促費を考えると、決して「ボロ儲け」ではないのです。
👉 したがって、10万円以下、ましてや5万円で売られているものはCleanであるはずがありません。
2. 安物の最大の問題:ムーブメントと仕上げ
価格の安さ以上に問題なのは、ムーブメントと作りの違い です。
価格帯ごとの違い
| 購入価格帯 | 搭載ムーブメント | 主な問題点 |
|---|---|---|
| 約5万円 | 運が良ければ 7750ムーブメント | 機能は近いがケースの厚みが全く違う。丹東や上海4131は絶対に使われていない |
| 約10万円 | 4801ムーブメント(4131の簡易版) | 7750よりマシだが、本来の4131とは大きく異なる |
| 14万円以上 | 一部に 丹東/上海4131 搭載もあり | Cleanに近いが、依然として仕上げや流通経路に注意が必要 |
しかもムーブメントだけではありません。文字盤や針、ケースやブレスレットの素材・仕上げ も本物のCleanとは明らかな差があります。実際に手に取れば、厚みや細部の作りで一目瞭然です。
3. まとめ
この状況で一番伝えたいのはシンプルです。
「安すぎるもの」に本物は存在しない
ムーブメントや仕上げの差はすぐにわかる
利益構造は意外と薄い。安売りには必ず裏がある
さらに、皮肉なことに、コピー品や偽物の世界にも さらに偽物が存在する という現実があります。一方で、こうした状況を見れば、広州の時計職人の技術が本当に成熟している こともわかります。
どうか冷静に判断して、後悔のない購入を心がけてください。


クリーンファクトリーは購入できませんか?
すでに購入できなくなっていますので、VS工場やARF工場などの他の工場をご検討ください。