VS工場製 オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 15500 レビュー

VS工場製 オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク 15500 レビュー

VS工場(VS Factory) といえば、これまでロレックス、オメガ、パネライを中心に高い評価を得てきたメーカーですが、Audemars Piguet(AP)を手掛けるのは今回が初めてとなります。
そのため、本作 Royal Oak 15500 は VS にとって「試金石」とも言えるモデルです。

現在リリースされているのは 15500 ブルーダイアルグレーダイアル の2種類のみ。あえてバリエーションを増やさず、基本モデルに絞って仕上げてきた点からも、慎重な姿勢がうかがえます。

発売から約1か月が経過し、実機確認と市場の反応を踏まえたうえで、今回はこの VS 15500 の完成度を整理していきます。


ムーブメントについて

ムーブメントについて
ムーブメントについて

VS 15500 に搭載されているのは 丹東製 Cal.4302 一体型ムーブメント
この点は他工場の 15500 と共通ですが、VS は自動巻きローター部分に セラミックボールベアリング を採用しています。

この仕様により、ローターの回転は非常にスムーズで、装着時の作動音も抑えられています。日常使用においては、静粛性の高さがはっきりと体感できるレベルです。


ダイアルの再現度

ダイヤルの再現度
ダイアルの再現度

Royal Oak において最も重要な要素のひとつがダイアルです。
VS は「グランド・タペストリー」パターンの形状や比率を丁寧に作り込んでおり、スクエアのサイズ感やエッジ処理は非常に自然です。

全体としての再現度は高く、質感・立体感ともに安っぽさは感じられません。光の当たり方による表情の変化も、実機に近い印象を受けます。


カラー表現(ブルー/グレー)

 

ブルーダイアル、グレーダイアルともに色味は落ち着いており、過度な発色や不自然な濃さはありません。
屋内外での見え方の変化も自然で、色ズレは最小限に抑えられています。


ブレスレットと装着感

 

 

ブレスレットは 純正同様の23コマ構成。市場で多く見られる24コマ仕様ではなく、プロポーション面でもオリジナルに忠実です。

ファーストリンクの下がり方も自然で、手首に沿うようにブレスレットが落ちるため、Royal Oak 特有の一体感をしっかり感じられます。


針・夜光・細部仕上げ

時針・分針の幅は実機に近く、太すぎる印象はありません。
夜光塗料は粒子感があり、光り方も実機寄り。日付表示はやや暖色寄りの色味で、白すぎない点も好印象です。

ブレスレットのネジ穴は沈み加工が施されており、「AP」ロゴの脚の形状も自然で、細部まで丁寧に仕上げられています。


VS 15500 と APS 15500 の比較について(補足)

最後に、よく比較対象となる APS Factory の 15500 との違いについて触れておきます。

まずダイアルカラーに関しては、VS の方が正規品に近い色味と感じられます。特にブルー、グレーともに色差が少なく、自然です。

また、VS はセラミックベアリングを採用しているため、自動巻き時の作動音が APS より静かという特徴があります。

一方で、ムーブメント構造に関しては差があります。
VS の無調整テンプは外観上の再現に留まり、実際には調速機構が残る「疑似無調整構造」です。テンプに可変慣性用のウェイトは搭載されていません。

APS は実際に 可変慣性テンプ(フリースプラング)構造を採用しており、テンプにウェイトが装備されています。この点では、ムーブメントの構造再現度は APS の方が高いと言えます。


まとめ

VS 15500 と APS 15500 は、優劣ではなく方向性の違いと考えるのが適切です。

  • 静粛性、ダイアルカラーの自然さ、日常使用の快適さを重視するなら VS

  • ムーブメント構造の再現度、無調整テンプを重視するなら APS

どちらを選ぶかは、何を重視するかによって変わってきます。

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